Rene Kita / Synaplop // Ten Thousand Ways Of The Voice / Plop Plop TAPE

ベルリンとLAを拠点に活動しているクラリネット奏者Michiko Ogawaが、2025年11月にベルギーの実験レーベルFutura Resistenzaからリリースしたレコードです。 シンセや笙、ピアノによるロングフォームなアンビエントドローン〜ドローン2曲を収録。 ※デジタル音源を無料でお送りいたしますのでお気軽にご連絡くださいませ 以下、作家自身とレーベルによる解説です。 "「アルバムのオープニングを飾る『ashimoto_no_uchu』の冒頭は、死と誕生が繰り返される瞬間を想起させた。透明感のあるシンセとピアノの音色、使い込まれたファルフィサ・オルガンのノスタルジックでざらついた響き、笙の深い倍音が絡み合い、死にゆく者の最期の瞬間のように駆け抜ける記憶を呼び覚ます。やがて漆黒の闇を光が貫き、まるで新たに目を開くかのような奇妙な再生感を覚えた。泳ぎ方を知らず、力強い母の背中にすがりついていた夏の記憶。父と妹と共に歩んだ道、時を忘れて雪遊びに興じた日々。幼なじみがもう一緒に遊びたがらなくなった時の孤独。学生時代を通じて感じた疎外感。繊細な感受性の時代を過ぎ、世界が広がるにつれ、身体は次第に外側の防御を強めていった。音は進行し、同時に私が通り抜けてきた過去と、選べたかもしれない無数の過去を明らかにしながら、開かれた未来へと向かう。音が走り始めると、身体はどんどん軽くなり、沈黙が戻ってきて、私の個性の境界はぼやけていく。それは特定の神を伴わない祈りのような空間、深い深淵の場所である。 2曲目の「shizukana_hikari」は、さらに温もりを放ち、日常から抜け出したかのように森に浮かんでいる感覚を創り出す楽曲だ。予測不能に変容しながらも根底に一貫性を保って流れるその音は、混沌や矛盾、さらには不可解ささえも受け入れる。小川道子は私の姉でもある。幼い頃から、世界の終わりに誰も残らない世界を想像して泣いたり、人間を数字で分け算のように扱うことに違和感を覚えたりしていた。人の境界を越える真っ直ぐな強さを持っていた。それが生きることの難しさとなり、音楽を通じて多様な居場所を得たのかもしれない。そこで彼女は勇敢で、激しく、慈しみ深い自由を手にしたのだ。」 彼女が奏でる笙の音は、時空を歪め拡張する装置のようだ。このアルバムは朝、外の喧騒の中で絨毯の上で聴いたり、寝る前に毛布にくるまって聴いたりする。ベルリン郊外やカリフォルニアのジョシュアツリー国立公園で録音された音は、遠く感じられながらも親密な個人的な響きを帯びている。どこにいようと、彼女の音楽は記憶の触れることのできる断片へと私を繋ぎ、本当に優先すべき感情や意図に集中させてくれる。そこには圧倒的なエネルギーが宿っていると感じた。 タイトルが示す通り、このアルバムは闇に浮かぶ月のような存在だ——優しく、聴く者を無垢な冒険への期待で満たし、まるで足元に広がる無数の光のように。" レーベルその他作品はこちら /// Click here...

オーストラリアの実験グループMachine Listeningが、2025年6月にベルギーの実験レーベルFutura Resistenzaからリリースしたレコードです。 サウンドポエトリー〜物音15曲を収録。ゲートフォルド仕様です。 ※デジタル音源を無料でお送りいたしますのでお気軽にご連絡くださいませ 以下、レーベルによる解説です。 "『Environments 12』は、かつて人気を博した『Environments』シリーズへの新たな思索的追加作品である。このシリーズは1969年から1979年にかけて発表された11枚のレコード群で、気分を変える自然音録音の大衆市場を先取りしたものだった。今や惑星規模の計算が日常化した時代において、更新されているのは環境そのものである。音響景観の再現・合成・管理は普遍化され自動化された。サイバネティック生態学の名のもとに、スピーカーとマイクが生物圏全体に張り巡らされている。アーティスト兼研究者ショーン・ドックレイ、ジェームズ・パーカー、ジョエル・スターンにより2020年に設立されたMachine Listeningは、共同研究と芸術的実験のためのプラットフォームである。この集団は、執筆、インスタレーション、キュレーション、ソフトウェア、ラジオ、教育、パフォーマンスなど、多様なメディアと制作手法を横断して活動している。そしてこれが彼らがリリースした初のLPである。これは人新世のための心をひっくり返す台本だ：ポスト歴史的なフィールドレコーディング。攻撃的に無遠慮で、思慮深く狡猾な、あなたの内耳をくすぐる一枚。 この作品は、歴史的、現代的、そして空想的な一連の場面で展開され、声のパフォーマーたち（フランシス・プラニ、ジェニー・ヒッキンボサム、デヴィッド・チェズワース、キャサリン・ライアン、ジャスパー・ドックレイ、ロスリン・オルランド）とその生成的な声のクローンたちによって語られる。この人間以上の合唱団が、心理的に究極の海岸、サンゴ礁の子守唄、動物園の囲いのために設計された自然の交響曲、クジラやカラスのための大規模な言語モデルなどの物語を語り、繰り返し語る。このレコードは、生物圏、人間、テクノロジーの境界がほぼ完全に曖昧になった世界を想像する。有機物が、生命を呼び起こすために、それ自体の合成的な再現にさらされなければならない、レプリカの複製という仮説上の空間である。 『Environments 12』は現実の停止を伴い、あるいは要求する。これは実在の声の合唱か、それとも複製か？動物はマイクに敵意を抱くのか？フィールドレコーディングが文化的遺物として扱われ、音響生物学者が収集した「データ」の中に補間される時、それは何を意味するのか？真実と抽象化を区別する物差しはここには存在しない。そしてその効果は不可解な中毒性を帯びている：子守唄のような歌声がゆっくりと完全な拡張状態へと回転し、海の音を模倣するアンサンブルが輝かしい旋律でまねをし、壊れた声がワイヤーの中でハミングする破片から構築された夢の和音。 Environments 12...

過去にRecitalから発表しているアメリカの実験音楽家Kiera MulhernとSydney SpannによるデュオIris Ourが、2025年10月にRecitalからリリースしたCDです。 サウンドポエトリー〜コラージュ・ドローン5曲を収録。ブックレット付属。 以下、レーベルによる解説です。 "Kiera MulhernとSydney Spannは、Recitalで高く評価されたソロ作品を発表している。Mulhernの『De ossibus 20』（2020年）とSpannの『Sending Up A Spiral...

アメリカの実験レーベルRecital主宰Sean McCannが、2025年10月に300部限定でリリースした2枚組CD＋BOOKです。 超大作のオペラ14曲を収録。 以下、レーベルによる解説です。 "対話、音楽、精巧なサウンドデザインが、自己共食と変容についての物語的なファンタジーに織り込まれています。5年以上の歳月をかけて制作、録音されたこの作品は、2019年の『Puck (Recital)』以来となるMcCannの初のアルバムであり、彼の初のオペラでもあります。このオペラには、作曲家のマーティン・ブレスニック、アーティストのヌール・モバラク、ミュージシャンのマックス・エイルバッカー（Horse Lords）、声優のデヴィッド・ジョージ、クリステル・アビメリが参加しています。McCannは、ほとんどの楽曲を自ら演奏、録音し、すべての音を細心の注意を払って編集しました。 オペラは、華麗な序曲で幕を開け、その後、シュールな情景へと突入します。帆船に乗った登場人物たちが、その場しのぎのコンロで自分たちを調理し、食べてしまうのです。8つのシーンを通して、プロットは絶えず溶解し、再結合し、麻薬のような夢のような状態へと誘います。このオペラは、プロットを導き、歪める、幻想的な人物「コピー」によって監督されています。4つの言葉のない間奏では、温室の中でコピーが、各人物を象徴する花々を剪定しながら、古いビクトローラのレコードを再生しています。銀食器の叫び声、じょうろの水しぶき、雷雨、そして各人物がパンに焼き上げられる音が聞こえます。バーバラ・ストロッツィの衝撃的な「Lagrime mie」（1659年）などの華麗な音楽が、空っぽの図書館で、ヌール・モバラクが読むガートルード・スタイン風の呪文とともに演奏されます。オペラは、ヴァイオリンと合唱による、心に残る哀歌的な作品である壮大なコーダで幕を閉じます。 オペラには台本に加え、語られないテキストやアートワークを収めた書籍が付属します。書籍の各場面には「コピーパス」が配置されており、これは一種のプロットの背信やテキストの汚点であり、聴き手をプロットの穴へと誘い込み、自ら意味のきらめきを発見させます。 『The Leopard 』はラジオドラマ、実験的オペラ、立体映画の中間にある新たな形式を模索します。" レーベルその他作品はこちら ///...