Takashi Tsuda // 湿度計 CD
ここに収められた5曲は、2007年夏 STARNET RECODE にて、音のインスタレーション『湿度計』として発表したものを再構成し、さらに益子でフィールドレコーディングした音の風景をコラージュしたものです。したがって、CD『湿度計』は、インスタレーションの音源をそのまま収録した記録音源というわけではありません。
私にとって、サウンドインスタレーションとCDでは作業のベクトルがまるで違うものです。
サウンドインスタレーションは多層的な時間を多層的なまま描くことができるものであり、一方CDはひとつの流れとして時間の多層性を表現するものである、と考えているからです。
2007年5月に打ち合わせとフィールドレコーディングのため益子に数日滞在し、インスタレーションの音源製作に入る段階で、展覧会時に販売する新作CDもあるといいのでは、というお話もいただいていたのですが、その時は上記を理由に一旦お断りする形になってしまいました。
インスタレーションの展示が7月一杯で終了し、8月9月は進行保留にしていたのですが、10月に入り自発的にCD音源としてまとめる作業に取り掛かりました。11月に一度益子を訪れてイメージを再確認し、デモ版として一応の完成を見たのは12月に入ってからです。
CDでは、早朝、午前、白昼、夕方、夜、という5つの場面に沿って、「朝の水」「畦道にて」「湿度計」「蒼」「夜の水」という5曲で構成しました。
作業は各場面ごとの時間帯にあわせて毎日少しづつ行ないました。当然のことながら、早朝と深夜では音の聴こえが異なり、また音の聴こえがもたらす心象も異なるからです。
音とは、空気振動と意識が相互に浸透する現象であり、音の作業は、相互浸透の様態を観察し定着させる試みである、という考えから、そうした作業工程が必要でもあり、またこれは「響き/聴こえ」に関して様々な発見をしていく楽しい体験でもありました。
1、朝の水
早朝の STARNET 近くの林の中、湧き水が滴る谷の小道にて夏鳥たちのさえずりを収録。
腐葉土を透過して集まってきた水滴が谷を潤し、鳥たちの水飲み場になります。
インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、リバース変調等の加工を施し、上記サウンドスケープとコラージュしました。
2、畦道にて
木工作家・高山秀樹さんに案内していただき、高山さんのアトリエ付近でフィールドレコーディングしました。真新しい水が張られたばかりの瑞々しい水田が、陽の光でゆっくりと暖まり、蛙が鳴き始めます。
はじめに音風景を構成し、インスタレーションに使用した音源をもとにギター用マルチエフェクターで演奏しドローンにしたものを重ねました。
3、湿度計
ピアノや水琴窟、鳥や虫の声などに聴こえる音は、全て水滴の音を電子変調したものです。
インスタレーションでは、完成したばかりの STARNET RECODE の梁に設置された14台のスピーカーから音がランダムに鳴る仕掛けでした。RECODE の外では虫や鳥が鳴いていて、音の風景は高館山へと続いていきます。
このインスタレーションで使用した7種類の音源をそのまま使って構成・ミックスしました。ただ、遠近法的な音の配置に疑問を持ったので、音の定位に関してかなり実験をしました。デジタル・サウンド・プロセスのソフトウェアであるmax/MSPを用いて、ゆるいモジュレーションとランダムなパンをかけ、片方のチャンネルのみをギター用マルチエフェクターのリバーブとディレイに送り、音量や定位、エフェクトのかかり具合がランダムに移り変わるようなシステムを作りました。このシステムをリアルタイムで操作したものをハードディスクに戻し録音しました。つまり、ミックス時には、私はラップトップ上のシステムのパラメータとエフェクターのフットペダルを即興的に演奏していたことになります。
4、蒼
夕闇迫る STARNET ZONE の中央にステレオマイクを立て、その周囲を裸足になって歩き回りながら、水の入ったガラス瓶や巻貝の貝殻で即興演奏しました。その音源を倍音律に電子変調し、ミキシングの段階で重ねました。音律の特徴が前面に出ていて、アルバム中では異色の、ちょっと不思議な雰囲気の曲と思います。
陽が陰り、蒼い静寂の気配が辺りを満たします。
5、夜の水
陽が落ちると、STARNET には田畑から蛙の合唱が聴こえてきます。
夜は深く、時間が満ち、音はねっとりと甘く沈澱していきます。
「朝の水」同様、インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、上記サウンドスケープとコラージュしました。
「朝の水」「湿度計」「夜の水」という3曲が、強いて言えば、インスタレーションでの音像に近いものとなっています。
12月中旬に再度STARNETを訪れ、馬場さんにデモを聴いていただき、その場でリリースが決まったのですが、その後ディレクター磯部さんとのやりとりを重ねながらミックスバランスや全体の尺等の調整をしました。この段階で、上記の複雑な(もしくは単純すぎる)作業工程のため調整ができない箇所も生じていましたが、結果的には、当初のイメージやコンセプトがかえって前面に出た音源になったと思います。この最終調整の作業は12月後半から年明けにかけて行ないました。
マスタリングは皿disc庄司広光さんの手によるものです。ディレクター磯部さんと私の立ち会いのもと、都内某所の皿discスタジオにて、1月中旬の丸一日かけて行なわれました。庄司さんの仕事にいつもながら脱帽する次第です。心より感謝を述べたいと思います。
最後になってしまいましたが、CD発売にあたって、かつて衛生放送局『ST.GIGA』のプロデューサーとして、近年はSOUNDBUMのプロジェクトで活躍されているフィールドレコーディングの先駆者、サウンドアーティストの川崎義博さんより、身に余るコメントをいただきました。心より御礼申し上げます。
(Takashi Tsuda)
ここに収められた5曲は、2007年夏 STARNET RECODE にて、音のインスタレーション『湿度計』として発表したものを再構成し、さらに益子でフィールドレコーディングした音の風景をコラージュしたものです。したがって、CD『湿度計』は、インスタレーションの音源をそのまま収録した記録音源というわけではありません。
私にとって、サウンドインスタレーションとCDでは作業のベクトルがまるで違うものです。
サウンドインスタレーションは多層的な時間を多層的なまま描くことができるものであり、一方CDはひとつの流れとして時間の多層性を表現するものである、と考えているからです。
2007年5月に打ち合わせとフィールドレコーディングのため益子に数日滞在し、インスタレーションの音源製作に入る段階で、展覧会時に販売する新作CDもあるといいのでは、というお話もいただいていたのですが、その時は上記を理由に一旦お断りする形になってしまいました。
インスタレーションの展示が7月一杯で終了し、8月9月は進行保留にしていたのですが、10月に入り自発的にCD音源としてまとめる作業に取り掛かりました。11月に一度益子を訪れてイメージを再確認し、デモ版として一応の完成を見たのは12月に入ってからです。
CDでは、早朝、午前、白昼、夕方、夜、という5つの場面に沿って、「朝の水」「畦道にて」「湿度計」「蒼」「夜の水」という5曲で構成しました。
作業は各場面ごとの時間帯にあわせて毎日少しづつ行ないました。当然のことながら、早朝と深夜では音の聴こえが異なり、また音の聴こえがもたらす心象も異なるからです。
音とは、空気振動と意識が相互に浸透する現象であり、音の作業は、相互浸透の様態を観察し定着させる試みである、という考えから、そうした作業工程が必要でもあり、またこれは「響き/聴こえ」に関して様々な発見をしていく楽しい体験でもありました。
1、朝の水
早朝の STARNET 近くの林の中、湧き水が滴る谷の小道にて夏鳥たちのさえずりを収録。
腐葉土を透過して集まってきた水滴が谷を潤し、鳥たちの水飲み場になります。
インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、リバース変調等の加工を施し、上記サウンドスケープとコラージュしました。
2、畦道にて
木工作家・高山秀樹さんに案内していただき、高山さんのアトリエ付近でフィールドレコーディングしました。真新しい水が張られたばかりの瑞々しい水田が、陽の光でゆっくりと暖まり、蛙が鳴き始めます。
はじめに音風景を構成し、インスタレーションに使用した音源をもとにギター用マルチエフェクターで演奏しドローンにしたものを重ねました。
3、湿度計
ピアノや水琴窟、鳥や虫の声などに聴こえる音は、全て水滴の音を電子変調したものです。
インスタレーションでは、完成したばかりの STARNET RECODE の梁に設置された14台のスピーカーから音がランダムに鳴る仕掛けでした。RECODE の外では虫や鳥が鳴いていて、音の風景は高館山へと続いていきます。
このインスタレーションで使用した7種類の音源をそのまま使って構成・ミックスしました。ただ、遠近法的な音の配置に疑問を持ったので、音の定位に関してかなり実験をしました。デジタル・サウンド・プロセスのソフトウェアであるmax/MSPを用いて、ゆるいモジュレーションとランダムなパンをかけ、片方のチャンネルのみをギター用マルチエフェクターのリバーブとディレイに送り、音量や定位、エフェクトのかかり具合がランダムに移り変わるようなシステムを作りました。このシステムをリアルタイムで操作したものをハードディスクに戻し録音しました。つまり、ミックス時には、私はラップトップ上のシステムのパラメータとエフェクターのフットペダルを即興的に演奏していたことになります。
4、蒼
夕闇迫る STARNET ZONE の中央にステレオマイクを立て、その周囲を裸足になって歩き回りながら、水の入ったガラス瓶や巻貝の貝殻で即興演奏しました。その音源を倍音律に電子変調し、ミキシングの段階で重ねました。音律の特徴が前面に出ていて、アルバム中では異色の、ちょっと不思議な雰囲気の曲と思います。
陽が陰り、蒼い静寂の気配が辺りを満たします。
5、夜の水
陽が落ちると、STARNET には田畑から蛙の合唱が聴こえてきます。
夜は深く、時間が満ち、音はねっとりと甘く沈澱していきます。
「朝の水」同様、インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、上記サウンドスケープとコラージュしました。
「朝の水」「湿度計」「夜の水」という3曲が、強いて言えば、インスタレーションでの音像に近いものとなっています。
12月中旬に再度STARNETを訪れ、馬場さんにデモを聴いていただき、その場でリリースが決まったのですが、その後ディレクター磯部さんとのやりとりを重ねながらミックスバランスや全体の尺等の調整をしました。この段階で、上記の複雑な(もしくは単純すぎる)作業工程のため調整ができない箇所も生じていましたが、結果的には、当初のイメージやコンセプトがかえって前面に出た音源になったと思います。この最終調整の作業は12月後半から年明けにかけて行ないました。
マスタリングは皿disc庄司広光さんの手によるものです。ディレクター磯部さんと私の立ち会いのもと、都内某所の皿discスタジオにて、1月中旬の丸一日かけて行なわれました。庄司さんの仕事にいつもながら脱帽する次第です。心より感謝を述べたいと思います。
最後になってしまいましたが、CD発売にあたって、かつて衛生放送局『ST.GIGA』のプロデューサーとして、近年はSOUNDBUMのプロジェクトで活躍されているフィールドレコーディングの先駆者、サウンドアーティストの川崎義博さんより、身に余るコメントをいただきました。心より御礼申し上げます。
(Takashi Tsuda)
Takashi Tsuda // 湿度計 CD
¥2,420
- Item no:
- Availability:
長らく廃盤となっていた作品が2014年にリイシュー。
3rd reissue of his first album 'Shitsudokei'.
CD『湿度計』制作メモここに収められた5曲は、2007年夏 STARNET RECODE にて、音のインスタレーション『湿度計』として発表したものを再構成し、さらに益子でフィールドレコーディングした音の風景をコラージュしたものです。したがって、CD『湿度計』は、インスタレーションの音源をそのまま収録した記録音源というわけではありません。
私にとって、サウンドインスタレーションとCDでは作業のベクトルがまるで違うものです。
サウンドインスタレーションは多層的な時間を多層的なまま描くことができるものであり、一方CDはひとつの流れとして時間の多層性を表現するものである、と考えているからです。
2007年5月に打ち合わせとフィールドレコーディングのため益子に数日滞在し、インスタレーションの音源製作に入る段階で、展覧会時に販売する新作CDもあるといいのでは、というお話もいただいていたのですが、その時は上記を理由に一旦お断りする形になってしまいました。
インスタレーションの展示が7月一杯で終了し、8月9月は進行保留にしていたのですが、10月に入り自発的にCD音源としてまとめる作業に取り掛かりました。11月に一度益子を訪れてイメージを再確認し、デモ版として一応の完成を見たのは12月に入ってからです。
CDでは、早朝、午前、白昼、夕方、夜、という5つの場面に沿って、「朝の水」「畦道にて」「湿度計」「蒼」「夜の水」という5曲で構成しました。
作業は各場面ごとの時間帯にあわせて毎日少しづつ行ないました。当然のことながら、早朝と深夜では音の聴こえが異なり、また音の聴こえがもたらす心象も異なるからです。
音とは、空気振動と意識が相互に浸透する現象であり、音の作業は、相互浸透の様態を観察し定着させる試みである、という考えから、そうした作業工程が必要でもあり、またこれは「響き/聴こえ」に関して様々な発見をしていく楽しい体験でもありました。
1、朝の水
早朝の STARNET 近くの林の中、湧き水が滴る谷の小道にて夏鳥たちのさえずりを収録。
腐葉土を透過して集まってきた水滴が谷を潤し、鳥たちの水飲み場になります。
インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、リバース変調等の加工を施し、上記サウンドスケープとコラージュしました。
2、畦道にて
木工作家・高山秀樹さんに案内していただき、高山さんのアトリエ付近でフィールドレコーディングしました。真新しい水が張られたばかりの瑞々しい水田が、陽の光でゆっくりと暖まり、蛙が鳴き始めます。
はじめに音風景を構成し、インスタレーションに使用した音源をもとにギター用マルチエフェクターで演奏しドローンにしたものを重ねました。
3、湿度計
ピアノや水琴窟、鳥や虫の声などに聴こえる音は、全て水滴の音を電子変調したものです。
インスタレーションでは、完成したばかりの STARNET RECODE の梁に設置された14台のスピーカーから音がランダムに鳴る仕掛けでした。RECODE の外では虫や鳥が鳴いていて、音の風景は高館山へと続いていきます。
このインスタレーションで使用した7種類の音源をそのまま使って構成・ミックスしました。ただ、遠近法的な音の配置に疑問を持ったので、音の定位に関してかなり実験をしました。デジタル・サウンド・プロセスのソフトウェアであるmax/MSPを用いて、ゆるいモジュレーションとランダムなパンをかけ、片方のチャンネルのみをギター用マルチエフェクターのリバーブとディレイに送り、音量や定位、エフェクトのかかり具合がランダムに移り変わるようなシステムを作りました。このシステムをリアルタイムで操作したものをハードディスクに戻し録音しました。つまり、ミックス時には、私はラップトップ上のシステムのパラメータとエフェクターのフットペダルを即興的に演奏していたことになります。
4、蒼
夕闇迫る STARNET ZONE の中央にステレオマイクを立て、その周囲を裸足になって歩き回りながら、水の入ったガラス瓶や巻貝の貝殻で即興演奏しました。その音源を倍音律に電子変調し、ミキシングの段階で重ねました。音律の特徴が前面に出ていて、アルバム中では異色の、ちょっと不思議な雰囲気の曲と思います。
陽が陰り、蒼い静寂の気配が辺りを満たします。
5、夜の水
陽が落ちると、STARNET には田畑から蛙の合唱が聴こえてきます。
夜は深く、時間が満ち、音はねっとりと甘く沈澱していきます。
「朝の水」同様、インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、上記サウンドスケープとコラージュしました。
「朝の水」「湿度計」「夜の水」という3曲が、強いて言えば、インスタレーションでの音像に近いものとなっています。
12月中旬に再度STARNETを訪れ、馬場さんにデモを聴いていただき、その場でリリースが決まったのですが、その後ディレクター磯部さんとのやりとりを重ねながらミックスバランスや全体の尺等の調整をしました。この段階で、上記の複雑な(もしくは単純すぎる)作業工程のため調整ができない箇所も生じていましたが、結果的には、当初のイメージやコンセプトがかえって前面に出た音源になったと思います。この最終調整の作業は12月後半から年明けにかけて行ないました。
マスタリングは皿disc庄司広光さんの手によるものです。ディレクター磯部さんと私の立ち会いのもと、都内某所の皿discスタジオにて、1月中旬の丸一日かけて行なわれました。庄司さんの仕事にいつもながら脱帽する次第です。心より感謝を述べたいと思います。
最後になってしまいましたが、CD発売にあたって、かつて衛生放送局『ST.GIGA』のプロデューサーとして、近年はSOUNDBUMのプロジェクトで活躍されているフィールドレコーディングの先駆者、サウンドアーティストの川崎義博さんより、身に余るコメントをいただきました。心より御礼申し上げます。
(Takashi Tsuda)
長らく廃盤となっていた作品が2014年にリイシュー。
3rd reissue of his first album 'Shitsudokei'.
Tsuda Takashi · 湿度計 trailer CD『湿度計』制作メモここに収められた5曲は、2007年夏 STARNET RECODE にて、音のインスタレーション『湿度計』として発表したものを再構成し、さらに益子でフィールドレコーディングした音の風景をコラージュしたものです。したがって、CD『湿度計』は、インスタレーションの音源をそのまま収録した記録音源というわけではありません。
私にとって、サウンドインスタレーションとCDでは作業のベクトルがまるで違うものです。
サウンドインスタレーションは多層的な時間を多層的なまま描くことができるものであり、一方CDはひとつの流れとして時間の多層性を表現するものである、と考えているからです。
2007年5月に打ち合わせとフィールドレコーディングのため益子に数日滞在し、インスタレーションの音源製作に入る段階で、展覧会時に販売する新作CDもあるといいのでは、というお話もいただいていたのですが、その時は上記を理由に一旦お断りする形になってしまいました。
インスタレーションの展示が7月一杯で終了し、8月9月は進行保留にしていたのですが、10月に入り自発的にCD音源としてまとめる作業に取り掛かりました。11月に一度益子を訪れてイメージを再確認し、デモ版として一応の完成を見たのは12月に入ってからです。
CDでは、早朝、午前、白昼、夕方、夜、という5つの場面に沿って、「朝の水」「畦道にて」「湿度計」「蒼」「夜の水」という5曲で構成しました。
作業は各場面ごとの時間帯にあわせて毎日少しづつ行ないました。当然のことながら、早朝と深夜では音の聴こえが異なり、また音の聴こえがもたらす心象も異なるからです。
音とは、空気振動と意識が相互に浸透する現象であり、音の作業は、相互浸透の様態を観察し定着させる試みである、という考えから、そうした作業工程が必要でもあり、またこれは「響き/聴こえ」に関して様々な発見をしていく楽しい体験でもありました。
1、朝の水
早朝の STARNET 近くの林の中、湧き水が滴る谷の小道にて夏鳥たちのさえずりを収録。
腐葉土を透過して集まってきた水滴が谷を潤し、鳥たちの水飲み場になります。
インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、リバース変調等の加工を施し、上記サウンドスケープとコラージュしました。
2、畦道にて
木工作家・高山秀樹さんに案内していただき、高山さんのアトリエ付近でフィールドレコーディングしました。真新しい水が張られたばかりの瑞々しい水田が、陽の光でゆっくりと暖まり、蛙が鳴き始めます。
はじめに音風景を構成し、インスタレーションに使用した音源をもとにギター用マルチエフェクターで演奏しドローンにしたものを重ねました。
3、湿度計
ピアノや水琴窟、鳥や虫の声などに聴こえる音は、全て水滴の音を電子変調したものです。
インスタレーションでは、完成したばかりの STARNET RECODE の梁に設置された14台のスピーカーから音がランダムに鳴る仕掛けでした。RECODE の外では虫や鳥が鳴いていて、音の風景は高館山へと続いていきます。
このインスタレーションで使用した7種類の音源をそのまま使って構成・ミックスしました。ただ、遠近法的な音の配置に疑問を持ったので、音の定位に関してかなり実験をしました。デジタル・サウンド・プロセスのソフトウェアであるmax/MSPを用いて、ゆるいモジュレーションとランダムなパンをかけ、片方のチャンネルのみをギター用マルチエフェクターのリバーブとディレイに送り、音量や定位、エフェクトのかかり具合がランダムに移り変わるようなシステムを作りました。このシステムをリアルタイムで操作したものをハードディスクに戻し録音しました。つまり、ミックス時には、私はラップトップ上のシステムのパラメータとエフェクターのフットペダルを即興的に演奏していたことになります。
4、蒼
夕闇迫る STARNET ZONE の中央にステレオマイクを立て、その周囲を裸足になって歩き回りながら、水の入ったガラス瓶や巻貝の貝殻で即興演奏しました。その音源を倍音律に電子変調し、ミキシングの段階で重ねました。音律の特徴が前面に出ていて、アルバム中では異色の、ちょっと不思議な雰囲気の曲と思います。
陽が陰り、蒼い静寂の気配が辺りを満たします。
5、夜の水
陽が落ちると、STARNET には田畑から蛙の合唱が聴こえてきます。
夜は深く、時間が満ち、音はねっとりと甘く沈澱していきます。
「朝の水」同様、インスタレーションで使用した音源を基に再生速度変調、上記サウンドスケープとコラージュしました。
「朝の水」「湿度計」「夜の水」という3曲が、強いて言えば、インスタレーションでの音像に近いものとなっています。
12月中旬に再度STARNETを訪れ、馬場さんにデモを聴いていただき、その場でリリースが決まったのですが、その後ディレクター磯部さんとのやりとりを重ねながらミックスバランスや全体の尺等の調整をしました。この段階で、上記の複雑な(もしくは単純すぎる)作業工程のため調整ができない箇所も生じていましたが、結果的には、当初のイメージやコンセプトがかえって前面に出た音源になったと思います。この最終調整の作業は12月後半から年明けにかけて行ないました。
マスタリングは皿disc庄司広光さんの手によるものです。ディレクター磯部さんと私の立ち会いのもと、都内某所の皿discスタジオにて、1月中旬の丸一日かけて行なわれました。庄司さんの仕事にいつもながら脱帽する次第です。心より感謝を述べたいと思います。
最後になってしまいましたが、CD発売にあたって、かつて衛生放送局『ST.GIGA』のプロデューサーとして、近年はSOUNDBUMのプロジェクトで活躍されているフィールドレコーディングの先駆者、サウンドアーティストの川崎義博さんより、身に余るコメントをいただきました。心より御礼申し上げます。
(Takashi Tsuda)
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style=\"color: rgb(255, 42, 0);\"\u003e※5月中旬発送開始します\u003c\/span\u003e\u003c\/h2\u003e\n\u003cp\u003e東京出身静岡在住のギタリストTatsuro Murakamiが、2025年5月にアメリカ・ラスベガスのアンビエントレーベルMystery Circlesからリリースしたアルバムです。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eポストニューエイジ・アンビエントジャズ10曲を収録。DLコード付属。白盤です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e以下、レーベルによる解説です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003e\"ブラジルの音大卒という異色の経歴を持つギタリストで、現在は日本が60年代より誇る実験音楽のパイオニアグループ「タージマハル旅行団(現Stone Music)」のメインギタリストを務めるTatsuro Murakamiによる新作レコード。ブラジルの音楽院にてショーロギターやジャズ・ポピュラー理論を専門に勉強した彼は「理論や技術に囚われない音楽的反抗」として、2018年頃よりアンビエント・ドローン作品を制作開始し、今までに4枚目のソロアルバムをUKのWhitelabrecsやItalyのLontano Series等のアンビエント名門レーベルからリリースしてきた。\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003cem\u003e本作はそんな彼が原点に戻るという意味で、よりアコースティックなサウンドを取り入れ、かつアンビエント音楽から培った実験的なサウンドプロセスを基調としながら、ブラジル音楽やジャズで見られる複雑なコード進行や変拍子、サックスや70sプログレッシヴロックで使用されたメロトロンを駆使し、自身の音楽的なルーツをまとめて一つの作品へ昇華させたコンセプトアルバム。\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003cem\u003eYamaha DX7とフレットレスベース、また岡田拓郎の新譜にも参加したサックスプレイヤーのHikaru Yamada氏を迎えた1は、ジャズの要素とAmbeint\u0026amp;New Ageが見事にミックスしたシングル曲。ブラジル音楽やショーロで使われる特徴的なコード進行と7\/4の変拍子、そして初期キングクリムゾンのアコースティック曲を連想させる壮大なメロトロンが印象的な3や5、ジャズギターと複雑なシンセサイザーが絡み合う8や9など、バリエーションに富んだ音作りで聴く者を飽きさせない。\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003cem\u003e再開発により失われた港区三田地区へのオマージュとして制作されており、戦前は貧しい地域として知られていた一帯で、自身の祖父母と母の育ったその地への想いを記録する意味で制作されたコンセプトアルバム。失われつつある東京の景色を音とヴィジュアルアートの形で記録した2025年アンビエント注目作。\"\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\" src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=2285334860\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/transparent=true\/\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=2285334860\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/track=2987667831\/transparent=true\/\" style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレーベルその他作品は\u003ca 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Imminence of a closure\u003c\/p\u003e\n\u003c\/blockquote\u003e\n\u003cp\u003eArtist : Tatsuro Murakami\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eLabel : Mystery Circles\u003c\/p\u003e"}
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{"id":8783379103994,"title":"Jogging House \/\/ Names TAPE","handle":"jogging-house-names-tape","description":"\u003cp\u003eドイツ・フランクフルトのアンビエントレーベルSeil Records主宰Jogging Houseが、\u003cspan data-mce-fragment=\"1\"\u003e2025年5月にアメリカ・ラスベガスのアンビエントレーベルMystery Circlesから25本限定でリリースした再発カセット\u003c\/span\u003e\u003cspan data-mce-fragment=\"1\"\u003eです。(オリジナルは2019年リリース)\u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cspan data-mce-fragment=\"1\"\u003eカセットに直接録音した、清涼感のあるドリーミーなシンセ・アンビエント9曲を収録。DLコード付属。\u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=2740997718\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/transparent=true\/\" style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレーベルその他作品は\u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/mysci\"\u003eこちら\u003c\/a\u003e\u003cspan\u003e \u003c\/span\u003e\/\/\/ Click \u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/mysci\"\u003ehere\u003c\/a\u003e to see more Mystery Circles releases available at Tobira. \u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e---------------------\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eIncludes DL code. 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{"id":8782642675962,"title":"Ivan The Tolerable \/\/ Magic Smoke Chords LP [COLOR]","handle":"ivan-the-tolerable-magic-smoke-chords-lp-color","description":"\u003cp\u003eイギリス・ミドルズブラの異端音楽家Ivan The Tolerableが、2025年4月に同国実験/ノイズレーベルIndustrial Coastから100部限定でリリースしたレコードです。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eミックステープのようにシームレスに展開します。グレーマーブル盤です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレコードのみでの発表となります。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=1195867588\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/transparent=true\/\" style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレーベルその他作品は\u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/ic\"\u003eこちら\u003c\/a\u003e\u003cspan\u003e \u003c\/span\u003e\/\/\/ Click \u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/ic\"\u003ehere\u003c\/a\u003e to see more Industrial Coast releases available at Tobira. \u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e--------------------------------------\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e12\" grey marble vinyl.\u003cbr\u003e\u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cspan\u003eAssembled and recorded to tape in 2011 by Oli Heffernan, and remastered for vinyl in 2024. \u003cbr\u003e\u003c\/span\u003eEdition of 100. \u003c\/p\u003e\n\u003cblockquote\u003e\n\u003cp\u003e\u003cstrong\u003eTracklist\u003c\/strong\u003e:\u003c\/p\u003e\n\u003cp class=\"MsoNormal\"\u003e1. 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Nine Cards of Vistas 20:55\u003c\/p\u003e\n\u003c\/blockquote\u003e\n\u003cp\u003eArtist : Ivan The Tolerable\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eLabel : Industrial Coast\u003c\/p\u003e","published_at":"2025-05-10T15:24:30+09:00","created_at":"2025-05-10T07:20:25+09:00","vendor":"Tobira Records","type":"","tags":["ambient","contemporary \/ sound poetry","industrial coast","jazz","lp","monooto","new","strange beats"],"price":398000,"price_min":398000,"price_max":398000,"available":true,"price_varies":false,"compare_at_price":null,"compare_at_price_min":0,"compare_at_price_max":0,"compare_at_price_varies":false,"variants":[{"id":47305954656506,"title":"Default Title","option1":"Default Title","option2":null,"option3":null,"sku":"","requires_shipping":true,"taxable":true,"featured_image":null,"available":true,"name":"Ivan The Tolerable \/\/ Magic Smoke Chords LP [COLOR]","public_title":null,"options":["Default Title"],"price":398000,"weight":430,"compare_at_price":null,"inventory_management":"shopify","barcode":"","requires_selling_plan":false,"selling_plan_allocations":[]}],"images":["\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag1_81a27869-7595-4b7e-988f-da6f1dbce047.jpg?v=1746829112","\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag2_04a71f54-ef07-4f96-951b-9c8658958504.jpg?v=1746829112"],"featured_image":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag1_81a27869-7595-4b7e-988f-da6f1dbce047.jpg?v=1746829112","options":["Title"],"media":[{"alt":null,"id":36002419704058,"position":1,"preview_image":{"aspect_ratio":1.0,"height":700,"width":700,"src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag1_81a27869-7595-4b7e-988f-da6f1dbce047.jpg?v=1746829112"},"aspect_ratio":1.0,"height":700,"media_type":"image","src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag1_81a27869-7595-4b7e-988f-da6f1dbce047.jpg?v=1746829112","width":700},{"alt":null,"id":36002419736826,"position":2,"preview_image":{"aspect_ratio":1.333,"height":900,"width":1200,"src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag2_04a71f54-ef07-4f96-951b-9c8658958504.jpg?v=1746829112"},"aspect_ratio":1.333,"height":900,"media_type":"image","src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/mag2_04a71f54-ef07-4f96-951b-9c8658958504.jpg?v=1746829112","width":1200}],"requires_selling_plan":false,"selling_plan_groups":[],"content":"\u003cp\u003eイギリス・ミドルズブラの異端音楽家Ivan The Tolerableが、2025年4月に同国実験/ノイズレーベルIndustrial Coastから100部限定でリリースしたレコードです。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eミックステープのようにシームレスに展開します。グレーマーブル盤です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレコードのみでの発表となります。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=1195867588\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/transparent=true\/\" style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレーベルその他作品は\u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/ic\"\u003eこちら\u003c\/a\u003e\u003cspan\u003e \u003c\/span\u003e\/\/\/ Click \u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/ic\"\u003ehere\u003c\/a\u003e to see more Industrial Coast releases available at Tobira. \u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e--------------------------------------\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e12\" grey marble vinyl.\u003cbr\u003e\u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cspan\u003eAssembled and recorded to tape in 2011 by Oli Heffernan, and remastered for vinyl in 2024. \u003cbr\u003e\u003c\/span\u003eEdition of 100. \u003c\/p\u003e\n\u003cblockquote\u003e\n\u003cp\u003e\u003cstrong\u003eTracklist\u003c\/strong\u003e:\u003c\/p\u003e\n\u003cp class=\"MsoNormal\"\u003e1. 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¥3,980

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{"id":8782233862394,"title":"Severin Black \/\/ Country Music LP","handle":"severin-black-country-music-lp","description":"\u003cp\u003eイギリス出身ドイツ・ベルリン在住の実験テクノ作家Nape aka Severin Blackが、2025年5月に自身主宰レーベルArchaic Vaultsから150部限定でリリースしたレコードです。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eアンビエントドローン〜ドローン8曲を収録。DLコード付属。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cspan id=\"currenttitle_title\" class=\"fgtext\"\u003eButtechnoとVanessa Bedoretが参加しています。\u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e彼のパートナー\u003cspan class=\"bcTruncateMore\"\u003eChantal Michelle\u003c\/span\u003eによる解説です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003e\"地理的にも芸術的にも変遷していた時期に書かれた『Country Music』は、ロンドンからベルリンへのSeverin Blackの移動の軌跡をたどるもので、孤立と適応のサイクルを経て展開する。都市の周縁部で作曲されたこのアルバムの素材は、絶えず解体・再構築され、芸術的・個人的再構築のプロセスを反映している。このアルバムは、制作手法の転換を示すもので、ライヴテイクをまとめた即興性から、よりじっくりとしたマルチトラック・アプローチへと移行している。スパースでありながら催眠的なこのレコードは、絶え間ない移動、繰り返される孤独、本能の再調整によって形成された音の層を抽出する。政治的な意味での亡命ではなく、時間と自己の認識を変える、より静かで陰湿な変位という意味で。音楽は構造と解体の間を漂い、物理的にも音響的にも異なる空間の入り口に存在することを反映している。\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003eピレネー山脈での長期滞在と、民俗的な素材との新たな関わりによって、それまで使われていたNapeという呼称を捨てたことは、決定的な音の変貌を告げるものだった。Severinはこのレコードの制作中にクラリネットを吹き始めたが、その存在感はごくわずかでありながら、音響シミュレーション、特に1990年代のシンセサイザー技術に登場した古典楽器のデジタル的な近似への興味として現れている。この真正性と媒介の問いかけは、アルバムのテーマである記憶との関わりと類似しており、回想は固定された経験の検索としてではなく、歪曲と再構築の反復プロセスとして機能する。ベルリンに拠点を移したことで、グライムミュージックへの親近感が再燃し、それは『Pilgrim Wine』のシンコペーションの効いたブラスや、『March』の分断されたヴォーカルレイヤーに顕著に表れている。このアルバムには、長年のコラボレーターであるヴァネッサ・ベドレットとベルリンを拠点に活動するアーティスト、パヴェル・ミリヤコフ(Buttechno)が参加している。\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003e『Country Music』は、過去と未来、民俗の系譜とデジタルの断片化、場所と体現された痕跡、そして音の痕跡といった未解決の対話の中に自らを位置づけている。そこに現れるのは、固定されたステートメントではなく、プロセスであり、残されたものともたらされたものとの間の継続的な交渉なのだ。\"\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\" src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=3729938328\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/track=1832991312\/transparent=true\/\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe src=\"https:\/\/bandcamp.com\/EmbeddedPlayer\/album=3729938328\/size=large\/bgcol=ffffff\/linkcol=0687f5\/tracklist=false\/artwork=none\/transparent=true\/\" style=\"border: 0; width: 100%; height: 120px;\"\u003e\u003c\/iframe\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eレーベルその他作品は\u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/archaic-vaults\"\u003eこちら\u003c\/a\u003e \/\/\/ Click \u003ca href=\"https:\/\/tobirarecords.com\/collections\/archaic-vaults\"\u003ehere\u003c\/a\u003e to see more Archaic Vaults releases available at Tobira. \u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e----------------------------\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eIncludes DL code.\u003cbr\u003e12\" black vinyl.\u003cbr\u003eEdition of 150. \u003c\/p\u003e\n\u003cblockquote\u003e\n\u003cp\u003e\u003cstrong\u003eTracklist\u003c\/strong\u003e:\u003c\/p\u003e\n\u003cp class=\"MsoNormal\"\u003e1. March 03:27\u003cbr\u003e2. Tithe 04:08\u003cbr\u003e3. Pilgrim Wine 03:35\u003cbr\u003e4. Fitou (feat. Vanessa Bedoret) 03:13\u003cbr\u003e5. Lament (feat. Pavel Milyakov) 03:57\u003cbr\u003e6. Theaster Gat 03:22\u003cbr\u003e7. Yield 07:57\u003cbr\u003e8. Dirge 03:24\u003c\/p\u003e\n\u003c\/blockquote\u003e\n\u003cp\u003eText written by \u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cspan\u003eChantal Michelle, via the label : \u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\"\u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cem\u003eWritten during a period of geographic and artistic transition, Country Music traces Severin Black’s movement from London to Berlin, unfolding through cycles of isolation and adaptation. Composed on the city’s periphery, the album’s material was continually dismantled and reassembled, reflecting a process of both artistic and personal reconstruction. The album marks a shift in production methodology, moving away from the immediacy of summed live takes toward a more deliberate, stratified multitrack approach. Sparse yet hypnotic, the record distills layers of sound formed by constant relocation, recurrent solitude, and a recalibration of instinct. In many ways, it echoes the experience of exile, not in a political sense but in the quieter, more insidious form of displacement that alters one’s perception of time and self. The music drifts between structure and dissolution, a reflection of existing at the threshold of different spaces—both physically and sonically.\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e\u003cem\u003eThe shedding of the previously used Nape moniker signaled a decisive sonic transformation, informed by extended time spent in the Pyrenees and a renewed engagement with folkloric material. Severin began playing the clarinet while making this record, and though its presence is minimal, it reveals itself as an interest\u003cspan class=\"bcTruncateMore\"\u003e in acoustic simulation, particularly the digital approximations of classical instruments that emerged within 1990s synthesizer technology. This interrogation of authenticity and mediation parallels the album’s thematic engagement with memory, where recollection functions not as a retrieval of fixed experience but as an iterative process of distortion and reconstruction. The relocation to Berlin reignited an affinity for grime music, evident in the syncopated brass of Pilgrim Wine and the fractured vocal layers of March, while memories of childhood in rural Wales permeate the record’s atmospheric spaces. The album includes contributions from longtime collaborator Vanessa Bedoret and Berlin-based artist Pavel Milyakov (Buttechno).\u003cbr\u003e\u003cbr\u003eCountry Music situates itself within an unresolved dialogue—between past and speculative futures, between folk lineage and digital fragmentation, between place and its embodied and sonic traces. What emerges is not a fixed statement but a process, an ongoing negotiation between what is left behind and what is brought forward.\"\u003c\/span\u003e\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eArtist : Severin Black\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eLabel : Archaic Vaults\u003c\/p\u003e","published_at":"2025-05-11T14:17:06+09:00","created_at":"2025-05-09T18:14:19+09:00","vendor":"Tobira Records","type":"","tags":["ambient","archaic vaults","drone","lp","new"],"price":423300,"price_min":423300,"price_max":423300,"available":true,"price_varies":false,"compare_at_price":null,"compare_at_price_min":0,"compare_at_price_max":0,"compare_at_price_varies":false,"variants":[{"id":47305057730810,"title":"Default Title","option1":"Default Title","option2":null,"option3":null,"sku":"","requires_shipping":true,"taxable":true,"featured_image":null,"available":true,"name":"Severin Black \/\/ Country Music LP","public_title":null,"options":["Default Title"],"price":423300,"weight":430,"compare_at_price":null,"inventory_management":"shopify","barcode":"880918273488","requires_selling_plan":false,"selling_plan_allocations":[]}],"images":["\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_DigiArtwork_1400x1400_dfdec5d0-5019-4693-a93a-3b7975361e09.png?v=1746781953","\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_VinylMockup_Front.png?v=1746781954"],"featured_image":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_DigiArtwork_1400x1400_dfdec5d0-5019-4693-a93a-3b7975361e09.png?v=1746781953","options":["Title"],"media":[{"alt":null,"id":36000508772602,"position":1,"preview_image":{"aspect_ratio":1.0,"height":1400,"width":1400,"src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_DigiArtwork_1400x1400_dfdec5d0-5019-4693-a93a-3b7975361e09.png?v=1746781953"},"aspect_ratio":1.0,"height":1400,"media_type":"image","src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_DigiArtwork_1400x1400_dfdec5d0-5019-4693-a93a-3b7975361e09.png?v=1746781953","width":1400},{"alt":null,"id":36000508805370,"position":2,"preview_image":{"aspect_ratio":1.433,"height":1856,"width":2660,"src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_VinylMockup_Front.png?v=1746781954"},"aspect_ratio":1.433,"height":1856,"media_type":"image","src":"\/\/tobirarecords.com\/cdn\/shop\/files\/CountryMusic_VinylMockup_Front.png?v=1746781954","width":2660}],"requires_selling_plan":false,"selling_plan_groups":[],"content":"\u003cp\u003eイギリス出身ドイツ・ベルリン在住の実験テクノ作家Nape aka Severin Blackが、2025年5月に自身主宰レーベルArchaic Vaultsから150部限定でリリースしたレコードです。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eアンビエントドローン〜ドローン8曲を収録。DLコード付属。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cspan id=\"currenttitle_title\" class=\"fgtext\"\u003eButtechnoとVanessa Bedoretが参加しています。\u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e彼のパートナー\u003cspan class=\"bcTruncateMore\"\u003eChantal Michelle\u003c\/span\u003eによる解説です。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003e\"地理的にも芸術的にも変遷していた時期に書かれた『Country Music』は、ロンドンからベルリンへのSeverin Blackの移動の軌跡をたどるもので、孤立と適応のサイクルを経て展開する。都市の周縁部で作曲されたこのアルバムの素材は、絶えず解体・再構築され、芸術的・個人的再構築のプロセスを反映している。このアルバムは、制作手法の転換を示すもので、ライヴテイクをまとめた即興性から、よりじっくりとしたマルチトラック・アプローチへと移行している。スパースでありながら催眠的なこのレコードは、絶え間ない移動、繰り返される孤独、本能の再調整によって形成された音の層を抽出する。政治的な意味での亡命ではなく、時間と自己の認識を変える、より静かで陰湿な変位という意味で。音楽は構造と解体の間を漂い、物理的にも音響的にも異なる空間の入り口に存在することを反映している。\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003eピレネー山脈での長期滞在と、民俗的な素材との新たな関わりによって、それまで使われていたNapeという呼称を捨てたことは、決定的な音の変貌を告げるものだった。Severinはこのレコードの制作中にクラリネットを吹き始めたが、その存在感はごくわずかでありながら、音響シミュレーション、特に1990年代のシンセサイザー技術に登場した古典楽器のデジタル的な近似への興味として現れている。この真正性と媒介の問いかけは、アルバムのテーマである記憶との関わりと類似しており、回想は固定された経験の検索としてではなく、歪曲と再構築の反復プロセスとして機能する。ベルリンに拠点を移したことで、グライムミュージックへの親近感が再燃し、それは『Pilgrim Wine』のシンコペーションの効いたブラスや、『March』の分断されたヴォーカルレイヤーに顕著に表れている。このアルバムには、長年のコラボレーターであるヴァネッサ・ベドレットとベルリンを拠点に活動するアーティスト、パヴェル・ミリヤコフ(Buttechno)が参加している。\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003cem\u003e『Country Music』は、過去と未来、民俗の系譜とデジタルの断片化、場所と体現された痕跡、そして音の痕跡といった未解決の対話の中に自らを位置づけている。そこに現れるのは、固定されたステートメントではなく、プロセスであり、残されたものともたらされたものとの間の継続的な交渉なのだ。\"\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\u003ciframe style=\"border: 0; 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March 03:27\u003cbr\u003e2. Tithe 04:08\u003cbr\u003e3. Pilgrim Wine 03:35\u003cbr\u003e4. Fitou (feat. Vanessa Bedoret) 03:13\u003cbr\u003e5. Lament (feat. Pavel Milyakov) 03:57\u003cbr\u003e6. Theaster Gat 03:22\u003cbr\u003e7. Yield 07:57\u003cbr\u003e8. Dirge 03:24\u003c\/p\u003e\n\u003c\/blockquote\u003e\n\u003cp\u003eText written by \u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cspan\u003eChantal Michelle, via the label : \u003c\/span\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e\"\u003cmeta charset=\"utf-8\"\u003e\u003cem\u003eWritten during a period of geographic and artistic transition, Country Music traces Severin Black’s movement from London to Berlin, unfolding through cycles of isolation and adaptation. Composed on the city’s periphery, the album’s material was continually dismantled and reassembled, reflecting a process of both artistic and personal reconstruction. The album marks a shift in production methodology, moving away from the immediacy of summed live takes toward a more deliberate, stratified multitrack approach. Sparse yet hypnotic, the record distills layers of sound formed by constant relocation, recurrent solitude, and a recalibration of instinct. In many ways, it echoes the experience of exile, not in a political sense but in the quieter, more insidious form of displacement that alters one’s perception of time and self. The music drifts between structure and dissolution, a reflection of existing at the threshold of different spaces—both physically and sonically.\u003c\/em\u003e\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e\u003cem\u003eThe shedding of the previously used Nape moniker signaled a decisive sonic transformation, informed by extended time spent in the Pyrenees and a renewed engagement with folkloric material. Severin began playing the clarinet while making this record, and though its presence is minimal, it reveals itself as an interest\u003cspan class=\"bcTruncateMore\"\u003e in acoustic simulation, particularly the digital approximations of classical instruments that emerged within 1990s synthesizer technology. This interrogation of authenticity and mediation parallels the album’s thematic engagement with memory, where recollection functions not as a retrieval of fixed experience but as an iterative process of distortion and reconstruction. The relocation to Berlin reignited an affinity for grime music, evident in the syncopated brass of Pilgrim Wine and the fractured vocal layers of March, while memories of childhood in rural Wales permeate the record’s atmospheric spaces. The album includes contributions from longtime collaborator Vanessa Bedoret and Berlin-based artist Pavel Milyakov (Buttechno).\u003cbr\u003e\u003cbr\u003eCountry Music situates itself within an unresolved dialogue—between past and speculative futures, between folk lineage and digital fragmentation, between place and its embodied and sonic traces. What emerges is not a fixed statement but a process, an ongoing negotiation between what is left behind and what is brought forward.\"\u003c\/span\u003e\u003c\/em\u003e\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eArtist : Severin Black\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003eLabel : Archaic Vaults\u003c\/p\u003e"}
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イギリス出身ドイツ・ベルリン在住の実験テクノ作家Nape aka Severin Blackが、2025年5月に自身主宰レーベルArchaic Vaultsから150部限定でリリースしたレコードです。 アンビエントドローン〜ドローン8曲を収録。DLコード付属。 ButtechnoとVanessa Bedoretが参加しています。 彼のパートナーChantal Michelleによる解説です。 "地理的にも芸術的にも変遷していた時期に書かれた『Country Music』は、ロンドンからベルリンへのSeverin Blackの移動の軌跡をたどるもので、孤立と適応のサイクルを経て展開する。都市の周縁部で作曲されたこのアルバムの素材は、絶えず解体・再構築され、芸術的・個人的再構築のプロセスを反映している。このアルバムは、制作手法の転換を示すもので、ライヴテイクをまとめた即興性から、よりじっくりとしたマルチトラック・アプローチへと移行している。スパースでありながら催眠的なこのレコードは、絶え間ない移動、繰り返される孤独、本能の再調整によって形成された音の層を抽出する。政治的な意味での亡命ではなく、時間と自己の認識を変える、より静かで陰湿な変位という意味で。音楽は構造と解体の間を漂い、物理的にも音響的にも異なる空間の入り口に存在することを反映している。 ピレネー山脈での長期滞在と、民俗的な素材との新たな関わりによって、それまで使われていたNapeという呼称を捨てたことは、決定的な音の変貌を告げるものだった。Severinはこのレコードの制作中にクラリネットを吹き始めたが、その存在感はごくわずかでありながら、音響シミュレーション、特に1990年代のシンセサイザー技術に登場した古典楽器のデジタル的な近似への興味として現れている。この真正性と媒介の問いかけは、アルバムのテーマである記憶との関わりと類似しており、回想は固定された経験の検索としてではなく、歪曲と再構築の反復プロセスとして機能する。ベルリンに拠点を移したことで、グライムミュージックへの親近感が再燃し、それは『Pilgrim...
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